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ビデオプロトタイピングで大事なフィデリティーの調整



Fidelity.

英単語としても頭にはいっていなかった言葉ですが、今日、いきなりお気に入りのボキャブラリーになりました。フィデリティー。

今日は、ビデオプロトタイピングのワークショップの初日でした。前の日に読んでいたペーパーにも、Fidelityについての説明があり、なんとなく理解はしていましたが、レクチャーで確認することでより身近な言葉になりました。

Fidelityとは、迫真さ、忠実(度)などと訳され、つまりホンモノにどれだけ近いということです。映像表現においては、どれだけフィデリティが高いかということがクオリティにもつながってくるわけです。だから、あの手この手を使って本物らしさを演出するという世界になっていきます。

しかし、ビデオにプロトタイピングが入ってくると、少し様子が変わってきます。

プロトタイピングの目的は、プロダクトやサービスのアイデアをまずはカタチにしてみてフィードバックをもらったり、デザインチームの意識共有のためだったりします。

だから、フィデリティがある(Hi Fidelity)であることが第一にはなりません。特に、デザインプロセスの初期段階においては、多くの場合においてフィデリティが低い(Low Fidelity) プロトタイプの方が新しいアイデアやディスカッションを引き出すことが多いのです。

もちろん、デザインの最終段階においてはハイ・フィデリティな模型だったり映像だったりで、最終判断をするということもあります。

つまり、デザインのプロセスや目的によってフィデリティを調整してプロトタイピングしていくことが大切になってくるそうです。

この議論には納得。映像をつくるとなるとどうしてもハイフィデリティを目指しがちですが、ローフィデリティでもよい(のほうがよい)ケースもあるのです。

音楽用語でも、Lo-Fiというのがあって単語としては知っていたのですが、これもフィデリティからきてるそうです(Lo-Fi ウィキペディア)。これもまた、へぇ~。

Fidelity came into my vocabruary.

写真:去年の夏に参加したデザインワークショップでみつけた「F」です。

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