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リーンとサービスデザインの違い

イギリスのサービスデザイン会社Snookの記事を読みました。Snookは、This is Service Design Thinkingという教科書にも大きく取り上げられている、公共サービス改革を行うサービスデザイン会社です。


この記事では、リーンイノベーションとサービスデザインの違いについて述べつつ、参加型、共創型のサービスデザインの利点について語っています。

Service Design focuses on designing for experience, emphasising the involvement of the service user in co-designing the service. A service design approach is built on the generation of a deep and holistic understanding of the service user experience, uncovering the ‘touchpoints’ or points of emotional connection (both delight and despair) with a service.

サービスデザインは、経験や参加、共創を重視し、ホーリスティック(全体的)なアプローチでサービスを考えます。簡単にまとめるとリーンは、無駄を省き、効率化をすすめる変化をもたらすのに使え、サービスデザインは、根本的な課題や行き詰った課題に参加型に使えるというまとめです。Snookは公共サービス分野での仕事を多くしているので、公共分野こそサービスデザインが使えるという書き方もしています。(もちろん、サービスデザインが活用できるのはその分野だけではないですが)



建築のたとえも使いながら、簡潔にまとめている良記事です。 

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