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感じるモノをつくる Physical Computing


2週間にわたるPhysical Computingの授業が終わりました。この授業は、1週目はArduinoの使い方と小作品づくり、2週目からは4人チームでお題を選び(15個くらいのなかから選ぶ)プロダクトづくりに取り組みました。

今回は、家の中のサービスをつくることがテーマでした(つまり家電)。ぼくのチームは、「もっと多くの人たちが家の中で植物を育てるようになるにはどうしたらいいのか?」というお題を選びました。

ブレストに始まり、講師のサジェスチョンを受けつつ、紆余曲折しながら、光や水分、温度などのセンサー付きのボックス型の鉢をつくることにしました。プロトタイプをつくり、議論をしつつ、対象は、8歳から10歳ぐらいの子どもを想定し、植物を育てるのが楽しくなるような"Look and Feel"を盛り込むことも決まっていきました。

基本的にはシンプルなコンセプトなのですが、形にするのはなかなか難しいです。モノをつくるところ、センサーに対応するプログラミング、センサーやワイヤーの組み込み、挙動チェックなどを協力しながら行います。どれもすんなりといかないので、3〜4時間の作業が「また最初からやり直し〜」ということになることもあります。

教育の現場なので、それぞれができることだけではなく、学びたいことも考慮しながら、お互いに主張しつつ、配慮しつつ、時には前に出つつ(締め切りありますから)、頭と手を動かしていきます。

毎週、水曜日や木曜日の風物詩となっているのが、ほとんどのクラスメートが夜半過ぎまで残って作業している光景です。今週は、レーザーカッターや半田ごてを行うデスクに行列ができ、ちょっとしたフラストレーションがたまっている場面も見受けられました。みんな気合い入っています。

そしてプレゼン日の金曜日を迎えました。午後4時半ごろから、クラス内でのプレゼン、6時ぐらいからオープンな展示会(口コミやメルマガの告知などで、10名〜15名くらいのお客さんがいたでしょうか)を行いました。リサーチやコンサルティング部門のスタッフや他の大学の学生も参加して、説明したり、いろいろと議論したり、情報交換したり・・・、批評と交流が深められる、貴重な時間です。(ここでもビールとチップスが常備。今週は、3回もビールの日がありました。かなりの頻度!)

自分自身の学びと貢献を振り返ると、Arduinoのセンサー類の扱いに慣れ、プログラミングで少しだけ貢献し、レーザーカッターで初期プロトタイプをつくり、配線の半田づけをし、植物のセレクトとフィッティングをし、カラーリングを手伝い、プレゼンのストーリーをつくったというところです。中でも、プレゼンに盛り込んだ9歳の男の子をペルソナにしたストーリーは、思った以上に評判がよく、チームメートやクラスメートが声をかけてくれたのが嬉しかったです。

今回つくったプロダクトについては、おそらくビデオを作る予定なので、またの機会に紹介できると思います。 来週は、また経験豊富な2人の講師がやってきて1週間の授業です。また怒濤の日々になるやもしれず、週末は、ご飯をしっかり食べています。安売りされてたりんごを買ったら、なんとFUJIでした。しかも甘い!

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