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Generative Design:プロセッシングで簡易アプリをつくる

先週、今週と続いたGenerative Designの授業が終わりました。なんとかプレゼンも終え、ほっと一息。少しずつプログラミングの世界の一部が見えるようになってきていますが、もう少し先にいきたいなという欲求が生まれ始めています。半分、恐れおののいていた(英語だとintimidatingと表現されることが多い)数日前を思うと前進ですが、まだまだです。

ここ数日よく思い出していたのは、数学に苦しんだ中学、高校生の頃のこと。数学は嫌いじゃなかったのに苦い思い出ばかりです。周りに理解できないほど出来る人たちがたくさんいるというのも、似た境遇でした。(特にサッカー部の仲間の数名は自分からすると尋常じゃない出来の皆さんでした。走りながら微分積分の解法について話しかけられ、こちらは目がテン)

今回、使いはじめたProcessingというプログラミング言語はその頃なかったわけですが、どちらかというと手を動かしたり、ビジュアルをみたりするほうが得意だった私には、こういうビジュアルシンキングでやれる数学の授業が高校生の時にあったらなぁと思うわけです。

Processingの世界は、オープンソースだからなのか、熱心に広めようという関係者が多いのも小さな驚きでした。日本語でも読めるサイトも増えてきていて、関係各位の皆様の貢献に頭がさがる思いですが、それでも英語圏のDaniel Shiffmanの「Nature of Code」とBret Vectorの「Learnable Programming」は、日本語圏でもアクセスしやすくする価値が多いにあるのではないかということが、初心者の私でもわかるくらい熱意が伝わってきます。Daniel ShiffmanのVimeoの講義シリーズも、人柄がすごくでてて面白いしおススメです。これでがしがし勉強して、周りに一緒に遊べる仲間や先輩がいたら、すごい学びになるのだと思います。

今回、私は2人チームでAndroidアプリ(もどき)を開発しました。お題は、場所(Place)。話し合うなかで「場所について写真を撮ることは多いけれど、その実、建物やデザインを構成している形とか色とかって思っているほど見ていないよねぇ」という流れになり、「形や色」をテーマにしたアプリケーションをつくろう、ということになりました。

ウェブサイトや講師、周りのプログラミング経験者に支えられながら、Androidタブレットで撮った写真の上にお絵描きしたり、ちょっとした映像効果を加え、画像を保存できるアプリをつくりました。かなり大雑把なものでしたが、これまでにない写真の世界が広がる感じのアプリになっていて、シンプルなコードながら悪くない出来だったかなと思っております。(Google Street Viewを輪切りにしてみせたり、周りの音や色をきれいに表現したり、自分のいた場所を教えてくれたり、といった俄然高度なプロジェクトばかりであったことも追記しておきます)

引き続き、できること増やしていきます。

興味を持った方は、Processing.orgからダウンロードして(無料!)、ReferenceとLearningを参照しながら少しずつ進めていく、あるいはYoppaさんのページで公開されている大学の授業「プログラミング基礎」の内容が参考になると思います。私が検索してあたった範囲のもので良かったものなので、他にも良いものがあるかもしれません。

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