スキップしてメイン コンテンツに移動

コペンハーゲンにきて4ヶ月

CIIDにきてから4ヶ月がたちました。先々週は、これまでのプロジェクトをまとめる週でした。主に、プロジェクトの要約をし、場合によってはプロジェクトの紹介動画をまとめました。納得のいくもの、いかないもの、いろいろありますが、この4ヶ月を振り返る良い機会になりました。

この4ヶ月を簡単にふりかえってみようと思います。

− モノをつくる手
CIIDでは、常に何かをつくっています。パソコンにむかってつくる場合もありますが、模型をつくったり、スケッチをしたり、手を動かしていることも多いです。レーザーカッターで立体物をつくることも、電動の木工機械を扱うことも、特別なことではなくなってきています。

CIIDに行きたいと思った理由のひとつが、自分にまだモノをつくる手があるのかどうか確かめたかったのがありますが、今では自分にはモノをつくる手があるのだとうことを実感しています。むしろ、「モノをつくる手」がどうだとか、大仰に考えていた自分がおかしくもあります。レゴ、工作用紙、ミニ四駆、自転車いじりにいそしんでいた少年時代以降、どうして手でモノをつくらなくなってしまったのかということについて疑問に思うほどです。

ほとんどの人が言語をあやつるように、モノをつくる手は誰にでもあります。ただその環境があまりにも乏しい。そんなことも考えるようになりました。美術や図工の時間を大事にする動きやファブラボの推進には大賛成です。

− プログラミング
主にProcessingというプログラミング言語を学んできました。Arduinoという電子工作を動かすための言語もProcessingとほぼ同じです。

プログラミングの専門家にならずとも、Processingぐらいの入門的な言語を知っておくと、図像を動かしたり、電子工学的にモノを動かしたりといったことができるようになり、デザインや表現の幅が広がります。モノとモノを関連づけたり、映像表現に活用できるように、もっとプログラミングのスキルをあげていきたいところです。

また、モノをつくる手と同じことですが、Processingはおそらく小学校高学年ぐらいからでも遊べる言語なので、もっと多くの人たちが若いうちから触れられるようになったらいいなと思うようになりました。英語圏だとProcessingのサイトはもちろん、Daniel Shiffmanなどのプロモーターによる資料やチュートリアルが充実しています。Arduinoも同じくです。

− コペンハーゲン
コペンハーゲンは人口56万人ということなので、それほど大きくありません。自転車があれば事足りる規模なのは、かつて住んだことがある札幌に近い感覚です。遅くまで作業するのにも良いですし、仕事(収入)があればまた一層楽しく過ごせる街になるのだろうなということも、日が長くなり、暖かくなってきている近頃はひしひしと感じます。

−実践>理論
これまでの授業は、1週間から2週間のセッションがほとんどでした。講師は、CIIDの専任のこともありますが、外部からやってくることの方が多いです。そのどの講師たちも、それぞれ実践家です。これまでやってきたプロジェクトの話が面白いです。もちろんレクチャー的な話もしますが、現場の話や自分の経験を下にしたアドバイスやコメントの方がライブ感があり、自分の気づきも大きいように思います。

− コラボレーター
これまでのプロジェクトのほとんどは、二人ないしはグループで行います。なので、総勢20名のクラスメートの誰か と毎週ああだこうだと議論してプロトタイプするという繰り返しです。最初のうちは、その多様性と個性に驚かされていました。14カ国から集ってきているの で、毎日違う国の人としゃべるという状況は今までの人生にはあまりなかったことでした。お互いのアイデアやスキルを出し合い、課題に取り組むのは時に面倒 だったり難しいこともありますが、毎回発見があります。また、相手によって自分の個性が引き出されることも多いです。

多様な環境の下でのコラボレーションは、始まる前はあまり意識していたことではなかったのですが、今ではここでの活動の中心価値になっています。

以上、簡単なふりかえりです。

そして、そろそろCIID後も気になりはじめる時期です。クラスメートとも話題になりますし、仕事探しも少しずつはじめていきます(とりあえず、LinkedInをまじめにチェックし始めました)。耳寄りな情報ありましたら、当方までよろしくお願いいたします。

Facebookページも100名に届きそうなところまできました。ありがたいです。

コメント

このブログの人気の投稿

読み物としてもすごく面白かった「コミュニティー・キャピタル論」

先週の出張の行き来の半分はうたた寝、もう半分はこれだった。自分的に面白がれるポイントがつまっていて、食い入るようにほぼ往復の移動だけで読みきってしまった。これを新書にした編集者、えらい!(元は分厚い学術書があるようだから、おそらく編集者の手柄という推測)


コミュニティー・キャピタル論 近江商人、温州企業、トヨタ 、長期繁栄の秘密 (光文社新書)

面白かったポイントを3つほどにまとめてみる。

ポイントその1は、時と場所を超えているところ。三方よしで知られる近江商人の詳しい歴史、現代を生きる中国温州の企業、トヨタのサプライチェーン、と異なる時と地域の話が同じ仮説のもとに紐解かれる面白さ。しかも、歴史上の人物も実在する人も、多くは実名ででてくるので、人間くささがにおってくるよう。

ポイントその2は、よくある起業家の成功談みたいなのではなく、成功する組織、危機に強い組織は、どういうコミュニティ構造を持っているのかという問いをもとに語られているところだ。いっときたくさん本がでた、ネットワーク理論のおさらいをすることもできる。(余談だが、コミュニティの規模は異なるがMITの先生の研究が紹介された「ソーシャル物理学」と似たような結論がでてるのも面白い)

ポイントその3は、書名に「長期繁栄」とあるところにつながる。つまり、うまくいった人、組織のことだけでなく、コミュニティの周縁というか、それほど活躍しない人についても時にスポットをあて、その人がコミュニティとどういう持ちつ持たれつの関係を築いているのか(持たれつの方が多いようですけど)というところも紹介されているところだ。親戚を頼りに海外に渡り、言葉もままならないのに、ネットワークに守られながらそれなりに生きていけているエピソードは、何か希望すら感じる。

そして、これらの考察や分析は、その他のいろんな人や組織に照らし合わせて考えることができるというオマケつきだ。ソーシャル・キャピタルよりは、狭いコミュニティ・キャピタルという仮説の設定も絶妙だと思うが、その仮説の精度よりも、こうして時と場所を超えた想像をぐるぐるとめぐらさせてくれるところが良い。広く読んでほしいという新書の形式なので、そういう方向で書いてあるのだろう。そして、それは私に対しては大成功している。


ただ一点、ネットワーク構造が気になって、自然な友達づきあいがやりにく…

デンマークでインタラクションデザインを学ぶことに

こんにちは。新しいブログを立ち上げました。このブログでは、インタラクションデザインをテーマにした記事を書いていきます。

インタラクションデザインといっても、様々な領域が関わり、何がインタラクションデザインなのかということでも一苦労なのですが、まずは私がデンマークでインタラクションデザインを学びはじめたということで、インタラクションデザインな日々を綴っていきたいと思っています。

すでに、インタラクションデザインデイズという名のもとに、Facebookページと英語ブログ(英語の練習も兼ねて。まだ半公開状態。)を立ち上げたのですが、日本語のブログも立ち上げることにしました。もとはといえば、イリノイ大学での学びを共有していらっしゃるDesign School留学記ブログにインスパイア―されたのが発端といえば発端ですが、自分の学びの記録と共有、思考実験として有用に違いないだろうというのが大きな動機です。

ということで、まずは、この1月からお世話になっているCopenhagen Institute of Interaction Design、通称CIIDについて、少し紹介します。

CIIDは名前の通り、インタラクションデザインをテーマにした機関なのですが、ふつうの大学とは少し少し違います。CIIDは、大きく分けて、コンサルタンシー、リサーチ、エデュケーションの3部門からなります。私がお世話になっているのがエデュケーション部門(中の人は、Interaction Design Program=IDPと呼んでいるよう)です。Kolding School of Designという学校と提携することで学位もだせる仕組みになっているようです。

もともとは、イタリアにあったInteraction Design Institute Ivreaの関係者がデンマークで立ち上げた機関です。

といっても、4階建ての建物に3部門すべてが収まっている小さなコミュニティです。学校も年間で20名のみ。学校も専任のスタッフもいるけれど、多くは外部の講師や専門家がやってきてワークショップをするというもの。コンサルタンシーとリサーチのスタッフも少数精鋭と言う感じで、2~3か月もたてばみんな顔見知りになりそうです。

まだここで一週間過ごしただけですが、スタジオ的な雰囲気が良い感じです。レクチャールームもワークショ…

インフォグラフィックスとポリティクス

先週は、インフォメーションデザインのセッションでした。具体的には、Facebookのデータから読み取れることをビジュアライズする課題に取り組みました。テーマの設定、データの収集、編集、デザインまでなかなか苦労しました。最後は、半日かけてプレゼンと批評会。

ここまでお互いに批評する機会が少ないと不満も漏らしていたクラスメートたちも、たっぷりじっくりコメントしあって、どこかしら嬉しそう。たしかに、本気のコメント(批評)は、だいたいグサッとやられるわけですが、それはそれでお互いに愛情がないとできないっす。

今日は、講師のひとりTimoが紹介してくれたHarvard Business Review最近の記事が面白かったので紹介します

▼We've Reached Peak Infographic, and We're No Smarter for It
http://blogs.hbr.org/cs/2013/03/weve_reached_peak_infographic_and_were.html

GOOD Magazineにも関わってきて、本人もインフォグラフィック制作者でもある Dylan C. Lathropによるインフォグラフィック時評。タイトルを意訳すると「インフォグラフィックの流行のピークにきてるよ。そろそろ落ち着こうぜ。」といったところ。

インフォグラフィックの流行の最前線にいる張本人が、現在の大流行に懸念を示しています。

私自身もインフォグラフィックのパワーに少々エキサイトしていたところだったので、「たしかに、そうだよ。うん。」と、うなずける記事でした。

Dylanは、1920年代のIsotype Projectの話からはじめます。インフォグラフィックは、何も今に始まった話ではないと。その昔から(さらにさかのぼればアルタミラ洞窟にもいっちゃえると思いますが)ビジュアルで伝えるというのは、社会的、文化的、政治的意義を十分持っていたのです。

Arntzのつくったピクトグラムは美しい。一覧を眺めるだけでも価値があると思います。

▼Isotype Project
http://gerdarntz.org/isotype

Dylanの要点は、数字や裏付けもないのにイラストレーションで派手にみせてるだけのインフォグラフィックは、ちょっとどうなのよ…