CIIDのコンサルティングチームのレクチャーでした。先週もちょこっと話を聴いたのですが、今回は1つのプロジェクトについてじっくり伺う形でした。
コンサルティングチームの若手2人が中心になって取り組んだのは、アメリカの糖尿病患者の実態について可視化せよというブリーフ(案件)でした。デンマークの会社である、Novo Nordiskがクライアントです。Novo Nordiskは、CIIDのエデュケーション部門のパートナー(資金提供者)でもあります。
この案件で手掛けたリサーチの中心は、数名の患者さんに協力していただいて、診断されてから今までの体験や感情を語ってもらうというもの。1週間毎日通って、リサーチにつきあってもらうというところも新しかったです。(Immersive Living Researchと呼んでいた)
いろいろとデザインリサーチの手法が使われたようでしたが、紹介されたもののひとつが面白かったです。それは、リサーチの協力者の方に、インタビューに伺う前に、あらかじめ家のなかで病気に関するところに付箋をつけてもらうという手法です。そうすることによって、自然に話がはじめられるし、患者さんの日常や考えていることが、思ってもみないルートで可視化されるというメリットがあると思います。
今回のリサーチで、糖尿病患者さんの「治療」や「食事」のサポートに比べて、「エクササイズ」に関するサポートやケアが行き届いていないということ。そして、患者さんをサポートしているお医者さんや看護師、サポート団体、コミュニティ、友人などの役割や意識にちょっとしたずれがあることなどがみてきたそうです。
そして、もうひとつこのリサーチでユニークなところは、リサーチの結果と考察を iPadアプリとしてまとめてレポートしたところです。クライアントのスタッフが回覧したり、新しく働き始めたスタッフの学習ツールにしたりできるようにとの工夫のようです。
少人数ながら、面白いデザインリサーチに取り組んでいるようです。来週、ボストンのカンファレンスHealthcare Experience Designで発表とのこと。がんばれ!
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